飛び降り指揮者

□実験室と探し物
4ページ/5ページ




この世に存在する吸血鬼は大半が妖怪だ。

0.01%の確立で人間の吸血鬼が存在するらしい。


俺自身見たことがなくて、実際、人間血液研究者たちも、書物程度しかそのことを知らないらしい。


寧ろ、人間の吸血鬼が存在すること事体、都市伝説じゃないかと言われている。



「俺の血族者はいねぇーし、人間の吸血鬼なんて都市伝説だし。不可能な話だな。」


簡単そうな話なのに、中身は全くもって難しい。

なんせ、俺の血自体、貴重で滅亡したといわれてるから。




「そうだよな。お前に言っても何もならないと知ってた話だけど。」



楼は、また煙を吐く。




「お前の血自体が貴重なのは知ってる。
 狙われてるからこそ、名前も、髪色も変えたの知ってる。」



「あぁ・・・もう二度とあいつらなんかに俺は使わせない。だから、もしかしたら、妹が犠牲になってるかもって考えたこともあったなぁ。」


懐かしいと言わんばかりに体から力を抜き、リラックスする。





「もう行くよ。あと宜しく。」



ソファから立ち上がり、今度こそ、ドアを開け、その場を後にする。



なんか、嫌な予感がする。



ドクンと波立つ心臓を押さえ、急いで家へと戻る支度をした。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ