飛び降り指揮者
□実験室と探し物
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この世に存在する吸血鬼は大半が妖怪だ。
0.01%の確立で人間の吸血鬼が存在するらしい。
俺自身見たことがなくて、実際、人間血液研究者たちも、書物程度しかそのことを知らないらしい。
寧ろ、人間の吸血鬼が存在すること事体、都市伝説じゃないかと言われている。
「俺の血族者はいねぇーし、人間の吸血鬼なんて都市伝説だし。不可能な話だな。」
簡単そうな話なのに、中身は全くもって難しい。
なんせ、俺の血自体、貴重で滅亡したといわれてるから。
「そうだよな。お前に言っても何もならないと知ってた話だけど。」
楼は、また煙を吐く。
「お前の血自体が貴重なのは知ってる。
狙われてるからこそ、名前も、髪色も変えたの知ってる。」
「あぁ・・・もう二度とあいつらなんかに俺は使わせない。だから、もしかしたら、妹が犠牲になってるかもって考えたこともあったなぁ。」
懐かしいと言わんばかりに体から力を抜き、リラックスする。
「もう行くよ。あと宜しく。」
ソファから立ち上がり、今度こそ、ドアを開け、その場を後にする。
なんか、嫌な予感がする。
ドクンと波立つ心臓を押さえ、急いで家へと戻る支度をした。