飛び降り指揮者
□仕事とカプセル
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しぶしぶと私が承諾して、翠は私に一応家までの地図を書いて、仕事に行った。
しかし、翠の仕事ってなんだろうか。
三日間帰ってこないとか、常にそんな感じらしいことを言われた。
まさか、張り込み調査とか?
この世界では警察なんていなさそうだけども。
しかし、翠が警察をやるなんて思えない。
だって、昨日、私に付いた返り血を見て、顔が蒼白になったりしてたし。
なら、もっと平和なものだろう。
リュックみたいなの背負ってたし、やはり、登山なのか。
山登るのが仕事って・・・・
テーブルの上においてた煙草を1本とって火をつける。
箱の中にはもう6本しかない。
昨日は13本ハズなのに・・・。
『翠め・・・・吸いすぎなんだよ・・・・。』
見かけによらず結構遠慮ないんだ翠は。
あいつの胡散臭そうな笑顔を頭に浮かべては、煙を吐くと同時に脳内から消し去った。
さて、二日目にして、一人っていうのはどういうことなんだろうか。
フィルター近くまで来た煙草を灰皿に押し付け、私は翠が帰ってくるまでどうしてようかと考えていた。