君と僕。

□ミニオンフィーユ
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『ピンポーン』

チャイムが家中に響く。

「はーい。」


きっと彼女だろう。
軽い足取りで廊下を滑るように歩いて、玄関にたどり着く。



『がちゃ』

ドアが開くと同時に

「おはよっ!祐希くん」

という可愛らしい声が聞こえる。


「おはよ」

「ちゃんと準備、してた?」

「それくらいはきちんとやります」

「悠太くんが?」

「う」

彼女の鈴を転がしたような笑い声が聞こえる。





彼女の表情は少ないが、たまにこうやって笑ってくれるのが少し、嬉しい。


「もう行ける?」

「あ、うん。荷物とってくるからちょっと待ってて。」




一度リビングに戻って、財布を無理矢理ジーパンのポケットに突っ込む。


あ、ちなみに今日の俺の格好は悠太が選んでくれたものです。



黒のカットソーに灰色のパーカーを羽織っている。下は、さっき言った通りジーパン。

悠太がこれを選んでくれた時、俺こんな服持ってたんだって思ったよ。




あ、名前待たせちゃってる。





急いで玄関に戻る。
すると彼女はドアにもたれ掛かって待っていた。
俺がきたことに気がつくと、

「もう大丈夫?」

と声をかけてきた。

「うん。大丈夫。」

「そう、じゃあ行こうか。」


一応「いってきます」と誰もいない家に声をかけて家を出た。



あ、今更だけど彼女の格好も説明したほうがいいよね。


短パン(カボチャパンツみたいなヤツ)にニーソックスで上はなんかほわほわした感じの絵がプリントされてる半袖。


・・・可愛い。


「どこ行くの?」

さりげなく聞くと、「ゆーえんち」という間の抜けたようで可愛い声が聞こえてきた。








「ゆーえんち・・・」

なんとなく俺も同じようにつぶやいてみた。


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