君と僕。
□文通
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「は?オイ、どういうことだ??」
『だから〜なんかネットしてたら“文通しませんか?”って怪しげなメールが届いたので、塚原要でかえしました。』
言ってる意味が分からなかった。
携帯がかたかた笑っているような気さえした。
「つ、つまり・・・メールに“いいですよ俺は塚原要です住所は〜”ってな感じで返したってことか?」
『なんで分かったの!??要くんってエスパー??』
「死ね。」
そこでオレが電話を切ったため、会話は終了した。
・・・ヤバイどうしよう。
なんか危ない系の奴だったら。
所詮非力な高校生。
・・・できることは何もなかった。
それ以来、祐希とは口を聞いていない。
数日後――
「要くん、なんかお手紙きてたわよ?」
母さんから手紙を受けとる。
・・・不幸の手紙をもらった気分だ。
実際不幸の手紙なんてもらった事ないけど。
手紙は茶封筒の色が白くなった感じの(し、白封筒?)ものに入っていた。
それが余計怪しさを彷彿とさせる。
そして、その封筒を開けた。
すると中には普通の手紙が。
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拝啓 塚原要 様
私は名字名前という者です。
文通を承諾してくださってとても嬉しいです。
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・・・とまあ、そんな感じでなんとも断りにくい雰囲気の文章がつづられていた。
・・・どうする、オレ!!
このまま返事を書くべきか、それともお断りの手紙を書くべきか、はたまた返事を書かないという選択もある・・・
心の中で葛藤を繰り広げていた。
そして、やはり普通の返事を書くべきだと思った。
相手は、おそらく女の子だろう。
だが、すごく綺麗な言葉づかい、丁寧な字。
・・とても詐欺だとは思えなかった。
シンプルな模様のない便箋に文字を一文字一文字ゆっくりと書く。
そこから、俺たちの文通は始まった。