襟足のアメピン

□転機
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入学式の前に、教室へ行かなければいけないため、1年D組へと向かった。





教室のドアを開けた。


すると、もう何人かは来ていて。

自分の席に座っていたり、早速仲良くなったのか友達のような人達と話していたりする。






「ねぇ、何処中だった子?」


とりあえず、自分の席に荷物を置いていると声をかけられる。




ふ、フレンドリーだな


「えっと、水無月中・・・」
「マジで!?あたしその近くの宇津中ってとこなんだけど知ってる?」


結構テンションが高いけど、悪い子ではなさそう。



「うん、知ってるよー!あそこ制服可愛いかったよね〜羨ましかった」


『普通』に会話をする。


正直、制服の可愛さとかはどうでも良かったのだが普通の女子といえばこんな感じかな、と。




ああ、駄目だ。





私はいつもこんな感じで素で接しないからなかなか気を許せる人が居ないんだろう。




「あーうん。あ、名前なんていうの?あたしは、東征千秋(トウセイ チアキ)」
「私は、相沢壱葉です」


反応が微妙だったな。

名前は教えてくれたから仲良くなってくれると思うけど。



「ごめん、さっきみたいな話苦手だった?」

ちょっと聞いてみよう。


「あー・・・うん、ごめん正直ちょっと苦手かな?あ、でも全然気にしないで!」

「ううん。大丈夫。話題ふっといてなんだけど私も実は苦手なんだ」



驚いた表情をみせた彼女だったけど、すぐ申し訳なさそうに正直に話してくれた。

・・・この子とは、カナみたいに接しても大丈夫かもしれない。




嬉しかった。



「結構、気合うかもね!あたしにはあんまり気使って接しなくても大丈夫だよ!」

「うん。ありがとう。こっちもあんまり気使わなくてもおっけー」







二人して笑いあう。





高校生活初めの友達は、今までとは違う子です。
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