襟足のアメピン

□ドッペルゲンガーとの遭遇
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一歩。
人通りの多い大通りに出る。

・・・鏡?



正面には自分の顔。

アレ、私の服こんなんだっけ?


自然と目をみはってしまう。
すると鏡の中の自分も目をみはる。


なんで、こんなところに鏡が?



とりあえず触れてみようと思い、目の前の鏡に手のひらを近づけた。

ふにっ

・・・・・・・・・・・・。


「「は?」」
誰かと声が重なったような気がした。




「はぁぁぁあああああ!!??」
「はぁぁああぁぁああ?」











目の前にはわたし・・・じゃなくて。
1人の少年が居る。



「あ、なんか初対面でいきなり触っちゃって・・・すいません」


とりあえず失礼なことしたんだし、謝ろう。



「い、いや気にしないで。アンタがしなかったら多分俺がやってた」


「え、えっと。私、相沢壱葉(アイザワ イチハ)って言います」


とりあえず自己紹介をしようと名前を名乗る。

すると、向き合っている少年も名前を名乗る。



「あー俺は宮代奏(ミヤシロ カナデ)」



どことなく雰囲気が沈む。
まさか、こんな近場でドッペルゲンガーの1人と遭遇するなんて。
2、3人現れないことを祈るしかない。


「まぁ、これも運命?ってことでよろしく」
さっきとは打って変わって、笑顔を見せる少年。



「とりあえず路上で話すのもアレだし、ファミレスにでも入ろっか」


笑顔。

知らない人にこんな笑顔を見せられるなんて凄いと思う。


私だって、馬鹿じゃないし自分の貞操は守りたいからそんなホイホイ付いて行こうとは思わないけど、正直似すぎてて怖い。だからかはわからないが、もっとよく知りたいとは思う。





ファミレスなら人も大勢居るし、大丈夫だろう。
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