君と僕。
□ペットボトル
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その恋は、本来ありえないことから始まった。
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「あ」
『ばしゃぁっ!』
・・・ん?
音と声のしたほうを見やると、そこにはオレンジジュースでできた水溜り。
その上に、ぷかぷか浮いてる一本のペットボトル。
そして、一番下には
私のバック。
ペットボトル
「あああー!!!」
こんなことするのは奴しかいない。
席替えで頻繁にあたる、校内1、2の美形とかいって女子にちやほやされてる気に食わない奴。
・・・浅羽 祐希。
「ちょっと!何してくれてんだ!アンタ!」
「あーあ。もったいない。」
「そこは謝れよ!!」
っふざけんなよ。最悪だよ、もう。
このバックには、買ったばっかりのアニメージャとか新刊とか同人誌とかいっぱいはいってるんだぞ!なにかあったらどうしてくれる!??
「うわ、最悪だー」
「それはこっちの台詞だっつーの!」
今までは仲良く5人でお昼を食べていたくせに、席が隣になってからはずっとここで食べている。
何・・・嫌味?
ほんっと嫌なやつ!
相変わらず、能天気に浮いているペットボトルをにらみつける。
中のものに、染み込んでませんよーに。
「染み込んでたら弁償しろよ。」
「は?嫌。なんで??」
「ふざけるなー!!!!!!!!」
ほんっっと、大っ嫌い!!!!
クリーニング代くらいだせっつの!
浅羽 祐希・・・最低!