君と僕。

□ペットボトル
1ページ/3ページ




その恋は、本来ありえないことから始まった。













―――――――――――――――――――


「あ」


『ばしゃぁっ!』


・・・ん?

音と声のしたほうを見やると、そこにはオレンジジュースでできた水溜り。

その上に、ぷかぷか浮いてる一本のペットボトル。





そして、一番下には








私のバック。







ペットボトル





「あああー!!!」


こんなことするのは奴しかいない。


席替えで頻繁にあたる、校内1、2の美形とかいって女子にちやほやされてる気に食わない奴。








・・・浅羽 祐希。



「ちょっと!何してくれてんだ!アンタ!」

「あーあ。もったいない。」

「そこは謝れよ!!」




っふざけんなよ。最悪だよ、もう。


このバックには、買ったばっかりのアニメージャとか新刊とか同人誌とかいっぱいはいってるんだぞ!なにかあったらどうしてくれる!??



「うわ、最悪だー」

「それはこっちの台詞だっつーの!」


今までは仲良く5人でお昼を食べていたくせに、席が隣になってからはずっとここで食べている。


何・・・嫌味?






ほんっと嫌なやつ!



相変わらず、能天気に浮いているペットボトルをにらみつける。




中のものに、染み込んでませんよーに。










「染み込んでたら弁償しろよ。」

「は?嫌。なんで??」

「ふざけるなー!!!!!!!!」








ほんっっと、大っ嫌い!!!!



クリーニング代くらいだせっつの!



浅羽 祐希・・・最低!
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ