襟足のアメピン
□転機
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突然の出会いから半年。
メールや電話で連絡を取り合い、何回か遊びに行ったりもした。
・・・その度に、店員さんとかにビビられたのは言うまでもないけど。
最早顔が似すぎてて、仲の良い双子みたいな認識だったと思う。
学校では、何故だかわからないけどカナと会うことは無かった。
カナの名前すら、聞かなかった。
私も無理に友達に聞く、なんてことはしなかった。
カナが学校で私に会わないのは、何かしらの理由があると思ったから。
そのまま中学を卒業。
そして、今日は高校の入学式だ。
・・・そういえば、カナの行く高校聞いてなかったな。
後できいてみよう。
そんなことを考えながら、校門をくぐる。
波多野高等学校。
同じ中学の子は大体この高校に進んでくる。
しかし、近隣の中学からも大量に生徒が来るため代わり映えのしない面子、なんてことはあまり無い。
クラス分けの表が掲示されているであろう掲示板を見に、人だかりの方へ足を向ける。
その人だかりの中には、ちらほらと見たことのある人達が何人か。
カナも、ここに来るのかな・・・?
進学先について触れていなかったのが何故だか自分でもわからない。
カナも私も。
自然とその話題は避けていたのかもしれない。
・・・って、私達どんなだよ!
とりあえずクラスを見ようと思い、掲示板に目を向ける。
結構身長の高い人が前方に居て、なかなか見えない。
あ、あった。
そこには『1年D組』とかかれていた。
早めに見つけられて良かった、と心から思った。