黒子のバスケ(夢)
□気分
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…最悪だ。
今日は朝から母親と喧嘩。
まぁ、喧嘩といっても母親に対抗とかしたらどうなるかわかったもんじゃないから普通に説教を聞きながら心の中で悪態をついてただけのこと。
そのせいで、学校には遅刻。
周りの視線が痛い。
先生は少し不機嫌に。
ここで、遅刻で行ってもバレなかったり周りの皆が良い感じの雰囲気で迎えてくれるなんて事はない。
むしろ、なんでそんな感じの受け入れ態勢があるのって感じだ。
何処にそんな過ごしやすそうな生活が送れる場所があるの。
取り敢えず今日一日はグッダグダのまま始まってしまった。
一応、気まずい雰囲気の中平気な顔で自分の席に着く。
内心は皆の前で一人だけ怒られるような事が無いかどうかと心臓が跳ねていた。
まっすぐと黒板を見て、授業の道具を揃えていると、先生はそのまま授業を再開した。
…良かった。
先生は、機嫌が悪い日だとすぐキレてくるので少々好きでは無い。
授業以外、必要なとき以外で先生と馴れ馴れしく過ごしたり、話しかけたり、わからなかったところを教えてもらったりしてる人は素直に尊敬する。
先生とは必要以上に接したくないから。
あと、友達とかも割と上手く立ち回ってる方だと思う。
ただ、学校以外で遊びたい人なんてほとんど居ない。
だってみんな趣味あわないし。
だいだい固定のグループを作ってるし。
だんだん落ち着いてきた私は、そんなことを考えながら点を稼ごうと、真剣なフリをして授業を聞いた。
休み時間――
「ねぇ、名字さん?」
「あ?」
いきなり話しかけられ、思わず不良のような返事が出てくる。
「あ?って…」
クスクスと笑うソイツは、なかなかに有名なバスケ部の森山由孝。
なんでもナンパ男で、黙っていれば格好良いらしいが、口を開けば残念なやつなので皆近寄らないという。
「…なんのよう?」
いつまでも笑っている森山に私はそう聞いた。
「何の用って…えーっと、昼!一緒に食べない?」
「は?」
いきなりのことで何を言われたのか一瞬理解できなかった。
「だからさ、昼。一緒にどお?」
「そんな…いや、一応私だって一緒に食べる人…居る、んで。」
「あーやっぱダメか。」
そういって残念そうに帰ろうとした森山だったが…
いきなりこっちを振り向いて、
「その子達が一緒に食べれないって言ってたら一緒に…ダメ?」
「え…」
なにそれ。
私はどうすりゃいいのさ。
そうして、戸惑っている間に森山は近くに居た私と仲のいい一人の女子に声を掛けた。
すると、その子は引き気味に、
「あ、ああ…名前ちゃん森山くんと食べるの?いいんじゃないかな…つ、伝えておくね!」
と、少しニヤニヤした笑いを浮かべながら去っていった。
「ああ…」
「じゃあ、決まりね!」
そう嬉しそうに笑って去っていったヤツを私は恨んだ。