黒子のバスケ(夢)

□彼ユニジャー
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「彼ユ二ジャーって知ってる?」


私の彼氏、森山由孝が、突然意味不明な言葉を発した。


「彼はわかるけど、ゆにじゃー?」

「正解は、彼ユニホームあんど彼ジャージでしたー」

「…なにそれっ」


よくわからない言葉に思わず吹き出す。


「だからさ、ソレ。やらない?」

「え?」


森山は、私よりも身長が高いくせにいちいちしゃがんで上目遣いをやってくる。
ホントに残念なヤツだ・・・



「ジャージならまだわからなくもないけど、ユニホームは笠松に怒られるんじゃない?」

「許可はとった!!」



なにしてんだよ、笠松。
仕事しろよキャプテン。






「ね。駄目?」

「駄目。」






それからずっと、そのことばかり言ってきた。





流石にもう、折れるしかないだろう。



「い、一回だけ・・・だからね!」

「まじ!?やった!!!」

「ったく…」

「じゃ、早速昼休み、バスケ部部室においで。」



ここは頷いておく。

そして、満面の笑みを浮かべて去っていく森山。



ああ、ホントに残念だ…
なんであんなのが彼氏なんだろう、私……


















ーー昼休みーーーーーーーーー



「こんちわー」


一応、ノックをして声をかけながらバスケ部の部室に入る。


すると、もうそこでは森山が待機していた。
脇には、海常と書かれた青いジャージとユニホーム。



「う……」



「さぁさ、どーぞ?」



今回の笑顔は怖い。
どうしよう…



腹をくくって、ジャージに手を掛ける。
そして、制服の上から着ようとした。

のに、


「…なにやってんの?」

「え?」


森山がいきなり、そんな声をかけてきた。



「彼ジャーといったら!普通彼氏のジャージ一枚でしょ!?中に何も着ないんだよっ」

「え!下着も?」

「当たり前。」



……ここまで残念だとは思わなかった。



「名前?やるって言ったよね?」



まさか、



嵌められた…………?




しょうがない。ここは。



「じゃあ、ちょっと外、出てて?」

「なんで?」

「脱ぐからに決まってんでしょ!!」

「あー、別に居てもいいじゃん?」


にやにやと嫌らしく笑っている。
うっざぃぃぃぃい。


「じゃあ、もうやんないっ」

「わ、わかったから。外出てるから。」


そう焦っていいながらも顔はにやけている。
一回、事故って頭リセットすればいいのに。




バタン、と部室のドアが閉まった。



 
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