黒子のバスケ(夢)
□バレンタイン
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そして、さっき悩んでいたことを話した。もちろん、森山くんの名前は伏せて。
「なるほど、そっちもバレンタインの悩みか。」
「う、すいません・・・」
「そんな謝らなくても。」
困ったように微笑みを浮かべる小堀くん。
「でも、そっかぁ・・・名字はやっと森山にあげるのかぁ・・・」
「え!?なんで森山くんだって知って・・・!!」
「だってわかりやすすぎるだろ?」
「しかも’’やっと’’って・・・て、私そんなにわかりやすいかな?」
「とっても。」
にっこりと微笑みを浮かべる姿は慈愛に満ちあふれているように見えてもちょっと怖かった。
・・・底が知れない。
「じゃ、じゃあ森山くんは・・・?」
「気がついてない、と言ってあげたいところだけどね。気がついてるよ。」
「ええ!!」
なんてことだ。
衝撃の事実だよ。放送事故だ。こんなことあっていいはずがない。
「なんで・・・?」
最早涙目。
「大丈夫だって、ホラ、いつもと同じで【あの子こっち見てる!俺に気があんのかな?】とかそれぐらいだから。」
「ホント・・・?」
「そう。あんなこと言っても本当は自分に気がないってこと知ってるしね。」
「そう・・・なんだ。」
そんなこと知ってるし。
「だからさ、普通に皆と一緒に渡してチョコが皆と違うって感じにすればいいんじゃないかな?」
「ああ・・・そういう手もあったね・・・・・・」
「もちろん本命以外は手作りじゃないだろ?」
「え、手作り。買ったチョコ渡す子なんて本当に居るの?例え義理でも。」
「え?」
そこら辺は知らなかったらしい。
少なくとも私は、手作りしか渡したことが無い。
友チョコだけだけど。
「それじゃあ、どうしよう・・・あ、手紙でもいれれば?」
「あっそっか・・・うん。やってみるよ、ありがとう!」
「いいえ。頑張れー・・・っと、それじゃ俺はこれで。」
「え?そっちの悩み事は?」
いきなりどこかへ行こうとするから驚いた。
これじゃあただの一方的なお話しだ。
ちゃんと、聴いてもらったからには聴かないと。
「いいんだよ、たいしたこと無いからさ。」
そう言い放つと、小堀くんはどこかへ走っていってしまった。
・・・?
変だなぁ・・・・・・
「(ほら、悩み、聴いてきてやったぞ森山。)」
「(お、おう・・・さんきゅー小堀。)」
「(しっかし森山も、アイツが浮かない顔してるから悩んでるとかよくわかるな。流石、惚れてる女のことは良く分かってんな。)」
「(うっさい笠松!)」
「(しっかし、本命の子には話しかけれもしないなんてヘタレだよなあ・・・)」
「(小堀まで言うなっ!)」