黒子のバスケ(夢)

□歩み
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最近はあまりにも静かすぎて、寂しい。



そんな気持ちが募るばかりで。






もともと友達が多い方では無かったから、私に話かける物好きなど、彼らぐらいしか居なかった。


そして、そんな存在の彼らが話しかけてこない今。





私は完全に孤立していた。



特に嫌われている訳でもないが、好かれている訳でもない。


簡単に言ってしまうと、【居ても居なくても良い存在】だ。




自分で言っていて物悲しいところもあるが、これは変えようのない事実だ。





ぼんやりと窓の外を一人で眺めていると、誰からか声がかかった。



「あだ名」

「え?」



しばらく聞いていなかったが、聞き慣れた声に私は振り向く。



すると、そこには相変わらず身長の高い面々。

頭だけみるとすごくカラフル。


・・・・・・戦隊もののヒーローみたい。




思わず、笑みが溢れる。











久しぶりに嬉しかった。




「なに?どうしたの?」





そう、問いかけると黄瀬くんを筆頭に わっ とみんなが寄って来る。


そして、口々に今まで構わなかった理由を言って来た。






一斉に話されたので何を言われたかははっきりと聞こえないが、なんとなく分かった。





「赤司に脅されていた」






よく意味は分からなかったが、嫌いになって離れていった訳ではないようなので安心した。







「分かったよ。ありがとう」




また微笑んでみせる。



すると、みんな廊下に出て行ってしまった。


身長が高いから、ここからでも見えるのだけれども。




なにやら相談しているらしい。



・・・・・・?






断片的に聞こえる会話からは、「赤司がうらやましい」だの、「赤司くんが独占したくなる気持ちもわかりました」だの言っている。






何がしたいのかはよくわからないが、前までの楽しい日常が帰って来たようで嬉しい。











「みんな、仲良くしてね」









誰に伝える事もない言葉を空気中に放った。






歩み


小さな歩幅でゆっくりと、前に進んだ
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