petit.

□◇Real love
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「送ってくださってありがとうございました、先輩」
ペコリと頭を下げて、座席のシートベルトを外す。


「かまわないよ」
ハンドルを握りながら、優しく微笑む先輩。




───大好きな…藍染先輩。


















○●Real lovE●○















あたしより6歳年上の藍染先輩は、部のOB。
大会が近付いてくると、いつも夜遅くまで練習を見てくれる。



そして練習の後に決まって
「雛森くん、送っていくよ」
と言って、車で家まで送ってくれる。



最初にそう言われた時凄くびっくりして理由をきいたら、

「友達と家の方向が違うんだろう?君が1人で帰ってるのを、よく見かけるんだよ」

って。




…1人で帰ってるのは事実だけど……
他の友達はみんな彼氏と帰ってるし。


好きな人と一緒に笑いあいながら帰れるなんていいなぁ、なんていつも考えてた。




そんな時に先輩が言ってくれたその言葉は、あたしにとってとても嬉しいものだった。


やっと夢が叶うんだ、って。
凄く幸せだ、って思ったの…。











 
「じゃあ先輩、本当にありがとうございました。おやすみなさい」

もう一度礼をして、車のドアに手をかける。




すると、

「雛森くん」

という言葉と同時に、先輩の大きな手があたしの空いている方の手を優しく包んだ──。








「先輩……?」










速くなる鼓動。


静まりかえる車内。







そして…

「君が好きだよ」

という、先輩の声──。


 
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