presents
□get a crush!
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しばらく無言で抱き合っていた二人だが、雛森の次の言葉で日番谷はぱっと彼女を解放した。
「…日番谷くん、今日はなんだか優しいね」
ふふっ、と雛森が可愛く笑う。
「…悪いかよ」
今度は日番谷が顔を赤くして、頭を掻いた。本当に彼女は表情をコロコロと変える。怒って、泣いて、また笑って。
その全てが、愛おしくてたまらない。
「大好き、日番谷くん」
雛森が日番谷の腕に抱き着いた。
「…おう」
「もうっ!『…おう』じゃないでしょ!」
今度は日番谷の腕を抱きしめる自分の腕に、ぎゅうっと力を込める。
『ぷんぷん』なんて擬態語がぴったりだ。
「……好きだ」
日番谷がぽそりとそう一言言う。しかしまだ腕への締め付けは続いている。
「なんだよ、言ってやっただろ」
「それが本心ですか?」
日番谷は呆れたような表情を雛森に返す。
全く、雛森は甘え上手というかなんというか…。
「しょうがねえヤツ」
日番谷はもう一度頭を掻いてから、
「…愛してる」
と呟いた。
大好き、大好き。
時にはすれ違っても、
これからもずっと、二人は相思相愛。
心配は無用のようです。
―END―