presents
□get a crush!
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「…こんなこと言って勝手なのはわかってるけど…あたし、すっごく不安だったんだよ」
雛森は目に涙を溜めて、言う。
「日番谷くんは他の女の子からもたくさんチョコもらってるしあたしのなんて別にいらなかったんじゃないかとか、全然会いに来てくれないから好きなのはあたしだけなん
じゃないかとか…」
「…」
「14日に十番隊にもお部屋にも行ったけど日番谷くん居なくて、
…本当は『はい』って、
『大好きだよ』って言って、直接チョコレート、渡したかったんだよ」
日番谷は涙を拭いながらも懸命に自分の気持ちを訴える雛森を見て、珍しく表情を和らげた。
「…お前の部屋に行ってた」
「………ふぇ?」
涙がぴたりと止まる。
「仕事終わって即お前の部屋に行ったけど居なくて、部屋に帰ったらお前からのチョコがあったんだよ」
日番谷は雛森の前に立ち、彼女の前髪をかき分けた。
「…俺たちバカだな、お互いのところに行ってすれ違うなんざ」
そして、そこにひとつ、キスを落とした。
「ひ、日番谷…くん」
雛森が彼の行動に顔を真っ赤にさせると、日番谷はそれを増長させようとするかのように雛森を抱きすくめた。
「会いに行ってやれなくて、ごめん。どれだけ忙しくても、これからは時間つくるから。
…チョコのことも…本当に悪かった。ありがとう、うまかったぜ」
雛森は心臓をドキドキ言わせながらも、目を閉じて答える。
「ううん、もういいよ。…あたしこそごめんね、日番谷くん忙しいのにわがままばっかり言って。…ありがとう」