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□コイスルオトメ
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要に告白したのは3ヶ月前のこと



驚いたように目を見開きながら顔を真っ赤にして、大きく頷いてくれた

そしてあたしたちは恋人になった



付き合い始めた日、周りの人(主に要の周りの人)に冷ややかされながら、二人で帰った

あたしが手繋いでもいい?って聞いたら、なんでもないように左手を差し出してくれた

でも、その左手に触れると、少し震えていたのを覚えている







「かーなーめー」

「あ?なんだよ」

「なんだよってなにそれー。今日一緒に帰ろって言ったじゃん」

「あーそーだっけ?」

「でさ、今日ちょっとだけ遊んで帰ろ」

「いいねーラブラブじゃないっすかー」

「うっせぇよ悠太。じゃあもうさっさと行って帰ろうぜ。」

「うんっ、じゃあ悠太くんバイバイ」




二人で教室を出て、廊下を歩く



「ねえ要、手繋ご?」

「あー、早く学校出ようぜ、うるせぇのに見つかる前に」


(別に友達に見つかったっていいじゃん…)



要は友達に見られるのが嫌らしくて、いつも早足で歩くから、あたしは小走り状態で要についていく



(でもあたしは知ってる)




校門を出てしばらく歩くと、要は少し歩く速度をゆるめる



「で?どこ行きたいんだよ」

「えっと、あ、アイス食べたい!」

「はぁ?アイスなんかコンビニ行けばあんじゃねぇかよ」

「そういうんじゃなくて、アイス屋さんのがいいの!」

「ふーん…、あーじゃああっちの方がそういう店多いんじゃね?よくわかんねぇけど」

「うんっ」



要は目を合わさずに左手を出す

あたしがその手に触れると、ぎゅっと握られる



(二人きりのときは、いつだってすごく優しい)




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