拷問部屋→
□無題
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「アタシはこの程度の結果で、この程度の現実で満足するような女じゃない」
――変わらぬ現状を恨んでみるもよし。
「それとも、アンタはこの程度で立ち止まっちゃうっていうのかしら?」
――価値観の差異を蔑んでみるもよし。
「そんなアンタにアタシの男が務まるわけがないじゃあないの。そんなことも解らない?」
――相手を身勝手に侮蔑するのもよし。
「アンタみたいな野郎はね、」
「その熱で燃えてしまえばいい」
女は手にした包丁で、滑らかに滑らかな肌を真一文字に切り裂いた。
「赤い色っていうのはね、人の熱の色よ」
「まるで太陽のようだわ、アンタの熱は」
「もっと照らして頂戴よ、このアタシを」
恍惚としたその表情。その瞳。彼女は美麗な手捌きで、誰かの体を無数の円柱形に解体していく。
赤く錆びついた粘り気のある液体が、滑りながら彼女の体を濡らす。
それこそ文字通りに、彼女自身は――赤く照らされていた。
「人の熱はね、赤い赤い炎よ」
「炎はね、燃やすもんなのよ」
女は笑う。無邪気な様相でただ、笑う。
キチガイさんの末路
なんかこう…風乃さんの考えを頂戴した感じ…