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□君が僕を愛すまで。
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君が、僕を愛すのにかかった時間。
僕が、君を愛すまでの時間の何倍もあった。
不安になったときも何度かあった。
別に君のことが嫌いなわけでもなくて。
ただ。
ただ…。
本当に君は、僕を愛してくれるのか、と。
不安が募るばかりで。
でも横で必死になって好きになろうと微笑んでくれる君が可愛くて。
思わず手を伸ばし。
頭を撫でた。
パシンと乾いた音が、僕の心に突き刺さる。
君は僕を睨み付け、
まるで。
―触らないで―
と僕に訴えるような、
邪険にするような目を向けて。
僕に背中を見せて。
手をひらひらと振り。
去っていく。
僕はその場で座り込み、
嗚呼。
僕たちは、終わるんだね、て。
寂しくて震え、そして憎みの涙を流した。
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