祐悠
□お礼がしたくて
1ページ/5ページ
はぁ…
随分と遅れてしまった…
祐希にメールしてから、結構時間が経っている。
大体、あのレジの混みようと定員の手際の悪さ…。……ま、クリスマスにケーキ買いに行ったんだ、当たり前か。
「祐希………怒ってるだろうな……」
今日の午後から降り始めた雪が止むことなく
静かな聖夜に消えていく。
気付けば見覚えのある公園。
一面の雪化粧に、月明かりが反射してとても明るい。
雪で遊ぶ、二人の子供────
---------------------------------
『ゆうたー!見て、すごいゆき』
『ほんとだ……』
『こんなにつもってるのに、あしたは晴れだって』
『………じゃあ、今日かぎりのいのちだね』
『えいっ』
『っ……やめてよ、ゆうき。えいっ』
『──っ!うわあ…つめたぁ……』
『ああっ…ごめん。…はやく家かえろう。かぜひいちゃうよ』
『……かぜひいたら、ゆうたのせー』
『ごめんごめん。ほら…、たまごがこおっちゃうよ』
『…………』
『…………、ほら』
『……………………ゆうた………』
『……………?──っ、!!ひゃあ』
『これでふたりとも、かぜっぴきー』
『もうっ……ほら、お母さんにおこられ
『ゆうた…………』
『?』
『あしたもゆき、のこってるといいね』
そうだね
明日も
明後日も
明明後日も
来年も
再来年も
その先も、ずっと
next page#
---------------------------
(もう!二人とも、お使いから全然帰ってこないと思ったら!…………あ〜あ、びしょ濡れで………)
((ごめんなさい))
、