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□Love・SickU
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誰があんたのものになんてなるか。からかわれるのは、御免だ・・・。
『Love・sickU』
「……帰る」
顎に添えられたロイの手を打ち払いながら、エドワードは立ち上がった。
くるりと背を向けたとき、金縛りにあったように体が動かなくなった。締め付けられる苦しみと、背中から伝わってくる体温に自分が抱きしめられていることに気付いた。
「はっ……離せっ!!」
暴れようとしても凄い力で抱きしめられていて、それもままならない。背骨がキシリとうめいた。
「…っ…大佐っ……苦し」
胸の前に回されたロイの腕を叩いても、まったく力を緩める気配はない。それどころか益々力を込められた。抱き潰されるのじゃないっだろうかと、軽く恐怖を覚え始めた頃、するりと片腕が動いた。
「っ……」
くるりと反転させられて鋭い眼光に射すくめられた。その瞳は正視するに堪えない色をしていて。
底の見えない、漆黒の美しい闇。思わず視線を逸らした。
「鋼の。神経をつなぐ瞬間の痛みはかなりのものだそうだね」
握りしめていた機械鎧の右手を優しくほどかれる。エドワードの指と指の間にロイの指が入り込み、ぎゅっと握りこまれた。
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