中・短編
□秘・恋-ヒメコイ-
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忘れられない事がある。
忘れたくない事がある。
何の変哲も無い日常。
何の確信も無い癖に、これから先…ずっと変わらないんだろうと思っていた。
きっと、幸せだったんだと思う。
否、幸せだった。
だからこそ、不変であって欲しかった。
そう、願わずにはいられなかった。
ただ…
笑っていたかった。
綺麗事かもしれない、
偽善的かもしれない。
それでも皆が…
アイツの、
あの花咲く様な笑顔が枯れる事がなければ…ただ、それだけで良かったんだ。
それだけで
良かったのに……。
秘・恋-ヒメコイ-
初めてアイツに会ったのは何時だったか…。
確か、その年の入隊式(入社式?)から1ヶ月ぐらい過ぎた…新人教育とか、その他の雑務に追われていて、無駄に忙しい時期だった気がする。
うん、
確かそんくらいだ。
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