中・短編
□距離
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最早、抵抗は無駄だとわかったクラウドが諦め気味に現実逃避していると、ふと自分に覆い被さった彼が微笑むのがわかって、明後日を向いていた視線をセフィロスへと戻す──。
見上げるとセフィロスと視線が絡み、思わずドキリとする。
「これならば、身長など関係ないだろう?」
そう言って微笑む恋人に、一瞬惚けるも「確かに」と自分も微笑い、そのまま腕を伸ばし相手を引き寄せると、触れるだけの軽いキスをひとつ落とした。
「仕事はどうするの?」
「後からどうにでもなるさ…
だから、もう黙れ」
「ん……」
時々すごくもどかしく感じて、途方に暮れたりもするけど…この瞬間が、何よりも幸せに感じるから…この『距離』さえも愛しく思う。
そんな俺は、いろんな意味で末期だなぁと、苦笑した──。
翌日、遠征から帰って来たザックスは、いつもより遥かに多い書類との格闘を、余儀なくされる──。
END
憐れザックス。
2007/04/16