中・短編
□隣人-トナリビト-
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閉じていた眼をゆっくりと開き、スッとベンチから立ち上る…
再びギシッと音がして、嫌でも年月を感じてしまう──。
『さて、行こうか』
『うん』
差し出されたその手を無邪気に掴んで、手を握る…
まさか、その温もりが無くなるなんて、あの時の俺は考えもしなかった……。
ザァァァァァァ───
風に乗って、花が散る…
ふと足を止めて隣を見ても、やっぱり誰もいなくて──
何を期待していたんだと自嘲する。
『Sirは、嘘つきです』
「ほんと…嘘つきだよ
セフィロス──」
止めていた足を動かして、桜並木をひとりで歩く…
繋いだ手は離されて、
大好きな貴方は、
もう隣にいない…。
END
『色彩』のその後的な話
う〜ん、せつない(泣)
2007/04/14