中・短編

□Voice
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「留守電……」



アドレス帳やら何やらを、一通り見ていると、着信履歴に名前が表示されず番号だけのモノが、一件だけあった


しかもその横に、メッセージ有りのマーク




今更聴いても仕方無いとはわかっていたが、やっぱり少しだけ気になって…再生ボタンを押し耳に当てた





機械的なアナウンスの声を聴き終える





『クラウド…』



ドクンッ―-…



電話越しに鼓膜に響いたその声に、ドクドクと心臓が波打った




「セフィ……ロス…」



思わず取り落としそうになった携帯を、しっかりと握り直す


携帯を握る掌に、じわりと汗が滲む



『こうやってメッセージを残すのは、確か初めてだな…』



ノイズ混じりのその声に、アナタが苦笑いしたのがわかった



『本当は直接言いたいんだが、何分(ナニブン)時間が無い…だから、どうかコレで許して欲しい――』



申し訳なさそうに言った言葉に、らしくないな…と頬が緩む



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