中・短編
□HOLE
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「クラウド――
俺は…大丈夫だ」
そう言ってクラウドの細い身体を抱き締める
「なんで…ほんと
アナタはいつも――」
「クラウド……」
「俺なんかが…
言える立場じゃないのはわかってます
それでも…
お願いだから…
無茶はしないで―-…」
涙に掠れた声で、ぎゅうっ…と必死に抱き締めてくるクラウドに、ただ愛しさが込み上げてくる
『なに、やってるんですか!!』
怒るクラウド
『無茶しないで…』
泣くクラウド――
…俺の為に、泣いてくれるクラウド
俺を……
抱き締めるクラウド
ふと…自分の腕に巻かれた包帯が目に入る
“あぁ…そうか――”
今は血の滲んでいない…まっさらな包帯
“まるで…
穴が塞がっていく様だ”
いつの間にか…
ポッカリと開いてしまった底の見えない穴
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