中・短編
□HOLE
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「……怪我をしたと聞きました」
被っていた帽子を脱ぐと、ツンツンとしたハニーブロンドが現れた
「なに…大した傷じゃない」
シャツを羽織りながら、安心させる様に微笑む
「しかし……銃弾が当たったと」
眉間に皺を寄せながら、辛そうに帽子を握り締めるクラウド
「元より人とは身体の作りが違う…
これくらいの傷は、すぐに治るさ」
巻いた包帯がなるべくクラウドには見えない様にして、シャツのボタンを止める
「なんで……」
同時に…
ポスンと背中を柔らかい感触が包み込んだ
「っ…どうして」
「クラウド…?」
腰に回されたクラウドの腕が、微かに震えていて
「クラウド…」
もう一度優しく名前を呼び、俯いた顔をソッと上げる
その青い瞳には、溢れそうな程の涙が溜まっていた
しかし…ソレが見えたのは一瞬の出来事で
クラウドが…再び俺の胸に顔を埋めた事により、見える事は無かった
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