中・短編
□Blue bird
3ページ/4ページ
ザクッ…
不意に自分の名を呼ばれた気がして、足を止め後ろを振り返る
「っ……な…んで…?」
『約束…だったからな』
風に靡く銀糸
低いけれど心地よく響く、自分を呼ぶ声
間違いない―-…
「セフィロスッ!!!」
踏み出した足が砂に取られ転びそうになる…
それでも
構わずに走った
「約束…覚えてたんだ」
『俺が…お前との約束を忘れる訳ない』
“そうだろ…?”と微笑むアナタに抱き締められたまま…無言で頷く
「…離れたくない」
『あぁ…』
「もぅ…離さないでくれよな」
『フッ…言われるまでもない
もう二度と…
離したりしないさ』
お互いの額を合わせて、微笑む
自然と交わされた唇は、確かな“誓いの接吻”
.