中・短編
□Blue bird
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海が青いのは…
空の青が
海に映っているから――
じゃあ…
空が青いのは?
そこまで考えて、自分の目をソッと触れる
「……空が青いのは」
『お前の青が映っているからかもしれないな』
「…絶対にそんな事が、ある訳ないのに…な」
『じゃあ、月が銀色なのはアナタの銀が映っているからだね』
『クスッ…それは、どうだろうな』
『なんで、そこだけ否定するかな…ι』
伏せていた瞳を、
再び空へと投げる
「鳥…」
一羽の白い鳥が、空を飛んでいるのが目に入った
『また来ようね』
『あぁ…約束だ』
「…うそつき」
ポツリとそう呟いて、フェンリルに向かい歩きだす
ザク
ザク
ザク―…
一人分の足音が波音に、かき消されていく…
『クラウド……』
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