中・短編
□デジャ・ビュ
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視線を向けると、ザックスに手を借りながら立ち上がる一般兵が目に入った
立ち上がった、その一般兵はズレた帽子を直しながら俺に
「すみませんでした」
と一言謝ってきた
その声を聞いた刹那
『セフィロス―-…』
何故か…あの夢の声と被り、俺の心臓がドクリと鳴った
そのまま俺が何も答えられずに、ただその一般兵を見詰めていると横から「何か言ってやれよ」と小声で促され
その声に我に返り「…いや、こちらこそすまなかった」と、動揺を悟られない様に簡潔に言う
そうすると、その一般兵が微かに微笑む気配が伝わってきた
そうして…
その一般兵は、拾った書類を抱え再び謝罪をすると…そのまま足早に去って行った
横を走り抜けたその小さな背中を、無意識に視線で追う
「任務の帰りだったんかな?」
不意に隣から響いた声に目を向けると、ザックスが自分と同じ様にその背中を目で追っていた
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