中・短編
□ピアス
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「まぁ、そう言うな…」
開けてみろ…とクラウドに促す
パカッ--…
静かな室内に、箱の開く小さな音が微かに響く
「ピ…アス?」
箱の中には、ピアスが入っていた
しかし、クラウドはソレを確認すると、徐々に表情を曇らせていく
クラウドに、どうした?と尋ねると、小さな声で「ピアスを付ける穴が開いてない…」と返ってきた
その言葉に、セフィロスはクラウドの小さな耳にそっと触れ「綺麗な耳だ…」と耳元で囁いた
そんなセフィロスの行動と言葉に、クラウドは声も出せないのか、真っ赤な顔で口をパクパクさせている
「開けて欲しい…
嫌か……?」
いつもより真剣なセフィロスの言葉
「嫌じゃないケド…
ちょっと怖いかな…」
と言って笑うクラウドに、大丈夫…俺を信じろ――と微笑う
「大丈夫か?」
ピアスを付け終えてから、しきりに耳を触るクラウド
「う〜ん…少しジンジンするかな」
と苦笑するクラウドの頬を撫でる
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