中・短編

□変化
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「ホントさぁ、旦那、変わったよなぁ」


突如、しみじみと…しかし、どこか意味深に、ニヤニヤと笑いながら吐かれたザックスの台詞。

そんなザックスの様子に、セフィロスは如何にも不快気に眉を寄せると、空瓶を相手の顔面に投げ、食い込ませた。


ゴッ!!

鈍い音が響き渡る。


馬鹿が…と溜息を吐き、ぐぉおお〜ッ!!と、痛みに這いつくばるザックスを視界からわざと外し、先程のザックスの台詞に思考を巡らせた。


『変わったよなぁ』

グラスを傾け苦味の強い酒で喉を潤潤し、セフィロスは、微かに頬を緩ませ「そうかもしれないな…」と呟いた。








■変化■







昔…
かなり前、一晩だけ相手をした女に、何の前振りも無く聞かれた事がある。


『アナタは…他人(ヒト)のことを、一体、どういう基準で分けているの?』


と──。


あまりにくだらなくて、唐突で不躾な質問に最初こそ無視を決め込んでいた俺だったが、その女の表情があまりにも真剣だったので、仕方なく、しかし偽りなく答えた。
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