中・短編

□非生産的背徳行為
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時々…
ふと思う事がある。


自分は、何て非生産的な事をしているんだろう?って──。


だって…
幾らこんな事をしたって、自分達の間には何も生まれる事なんてないんだから……。


まさに、背徳行為そのもの…だよね。






■非生産的背徳行為■






「んぅ…ふっ、あぁ…」


ギシッ、ギッ…と、見ただけで上質とわかるベッドが、その律動の度に音を立てる。


大の大人が二人寝てもまだ充分すぎる程にスペースの有り余るキングサイズのベッド──。
それに敷かれた黒色の手触りの良いシーツをギュッと握りしめ、襲い来る快感に飲み込まれ無い様に力を込めた…が、その手を上からやんわりと包まれ視線をあげた。

視線の先には、微かに色の浮かんだ翡翠と、さらりと流れる様な長い銀糸…。



「クラウド…」


不意に常よりも掠れ、熱を含んだ心地よい低音で名を呼ばれ、ふるり…と無意識に身体が震えた。



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