中・短編
□それは些細な事だけど
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当たり前だけど、自分とは似ても似つかないプラチナブロンドの髪。
綺麗な顔立ちに、翡翠色の瞳、黒いロングコートを翻し…さらりと流れる長い銀糸──その絶妙のコントラストと言ったら、まさに芸術品…
ゴホンッ-──
まぁ、ここまでツラツラと語っといて何だけど…俺が言いたかったのは
「セフィ、ちょっとそのまま動かないで!!」
だった。
これは、あるカップルのなんの変哲もない、ちょっとした日常のお話。
それは、
些細な事だけど…
やたらと騒がしい部下が今日は休暇という事もあり、若干(?)いつもより静かな執務室。
そして、書類を片手に立ち上がろうとした、この部屋の主セフィロス。
彼は今、微妙な空気椅子状態を見事キープしていた。
さすが英雄様。
格好が些か情けなく感じるが、そこはご愛嬌。
野暮なツッコミは、彼のその律義さに免じて一切無しだ。
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