中・短編

□それは些細な事だけど
1ページ/5ページ


当たり前だけど、自分とは似ても似つかないプラチナブロンドの髪。


綺麗な顔立ちに、翡翠色の瞳、黒いロングコートを翻し…さらりと流れる長い銀糸──その絶妙のコントラストと言ったら、まさに芸術品…



ゴホンッ-──

まぁ、ここまでツラツラと語っといて何だけど…俺が言いたかったのは


「セフィ、ちょっとそのまま動かないで!!」

だった。




これは、あるカップルのなんの変哲もない、ちょっとした日常のお話。







それは、
些細な事だけど…






やたらと騒がしい部下が今日は休暇という事もあり、若干(?)いつもより静かな執務室。


そして、書類を片手に立ち上がろうとした、この部屋の主セフィロス。


彼は今、微妙な空気椅子状態を見事キープしていた。


さすが英雄様。


格好が些か情けなく感じるが、そこはご愛嬌。


野暮なツッコミは、彼のその律義さに免じて一切無しだ。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ