中・短編

□隣人-トナリビト-
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サァァァァァ───


春、独特の強いけれど、どこか心地良い風が悪戯に淡い花弁を揺らす…。



はらはらと舞い落ちる花びらが風に乗り、自分を通り過ぎて行く──。



『また、いつか……』


『うん──』




あの無情にも過ぎ去った、思いの様に……。







隣人-トナリビト-






久々の休暇だった…。


だからたまには、趣向を変えて『普通の恋人みたく待ち合わせ』でもしようかと、二人で微笑い合って──



それならば『この季節は、あの場所がいい』と、貴方が決めた待ち合わせ場所…。





大概が迎えとか、家に行くとかが主で……

そんな風にデートするなんて初めてだったから、絶対に遅刻なんかしないと心に決め…普段よりもだいぶ早く寮を出た──





緑地公園の一角にある白いベンチ…そこが俺達の待ち合わせ場所だった。


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