NOVELS

□THE END OF WARLD
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ドアのノブに手をかけると、
予想通り、開いてなどいなかった。

いつもどおり、だった。

いつも僕が一番乗りで、
次に由那ちゃん、
馨、晃って感じ。

特に晃なんて時間通りになんて来ない。

「・・はぁ・・・」

今日は時間守るかな?

自分でも不毛な願望だとはおもいつつ、
ノブの鍵穴に鍵を刺す。

中に一歩、足を踏み入れる。

玄関に、赤いスニーカーを置いてフローリングを踏む。
短い廊下の先には、PCやキーボードが置かれて
随分狭くなった部屋。
ここに4人も入るって言うんだから、
驚きだ。
実際、入るんだけど。

壁にかかっている時計を見ると、
8時31分をさしていた。
本来の集合時間は10時だけど、
僕は自分のうちよりこっちの方が好きだから
つい早く来てしまう。

ここでゆっくり、
落ち着きながらPCとか開いて
音楽とか聴いて。

ふと、時計を見ると
50分になっていた。

時間って、
こういうときに限って過ぎるのが早い。

相対性理論って、こんな感じかな?

なんて考えながら、
窓の外に顔を出して青空を眺めると、
ちょうど下の道路を由那が通ったところだった。

「由那ー!!」

これ以上ないってくらい、
ぶんぶん手を振る。
すると由那ちゃんもやっぱり僕に手を振る。

「亜紀耶ー!!」



いつもと同じ。
キレイな空の下で
太陽の差し込む部屋で
四人で『福音』を奏でていく。


僕の、
一番好きな時間…。
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