拍手連載・ラビアレパロ

Morning コロン 第8話








「本当に、あの時は運命を感じましたよ」


少年の声が楽しそうに語る。
その言葉を隣に座って聞いていた青年も、少年と同じく楽しそうだった。右肩にかかる重みを感じながら、ラビはアレンの銀糸に指を絡ませる。
その感触にうっとりと目を細めながらおかしそうに話し出す。



「まさか香水の香りにあそこまで反応するなんて」


それにラビお財布落としたし。と続いた言葉にラビは苦笑する。
確かに、財布を落とすなんてアホなことをした。


でも…



「そのおかげでアレンとデートできたさ?」


「…もう、ラビの馬鹿」


ニカリと笑って言えば、ほのかに頬を染める愛しい存在に顔がにやけてしまう。
あの出逢いから一年という月日が流れたというのに、いまだ初々しい反応を返すアレンが可愛くて可愛くて仕方がない。

もうこのまま、誰の目にも映したくなかった。


「アレンかわいー」


「っ、かわいくないです!」


「うんにゃ。俺にとったらかんなりかわいいんさ」



ちゅ



「!…ラビっ」
顔を赤くしながら反論してくるアレンがおかしくて悪戯心でわざとリップ音をたててその唇にキスをした。
そしたらラビの予想通り、ますます赤くなったアレンにラビはカラカラと笑う。


「ごめんごめん」


プクーとむくれるアレンを抱きしめて、ラビは殊更楽しそうに笑った。
一方のアレンは、抱きしめられたことによりさっきよりも近くに感じるラビの香りに胸をときめかせ、



「……ラビの馬鹿」



自分が本当に、この男の事が好きなんだと実感させられるのであった。












『Morning コロン』



それは、僕と貴方を繋いだ奇跡の香り…






2008.7/19




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