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□不器用な君からの愛
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「はぁ…。」
ここは男子テニス部の部室。
私は悩んでいた。
「おいおいどうしたんだ?名無し。」
今部室に居るのは私と桃城くんだけ。
「桃城くん…。私って本当に薫くんの彼女なのかな…。」
「お前ら付き合ってんだろ?」
「…たぶん。」
「おいおい、本当どうしたんだよ?」
「だって…。私達付き合って三週間たったのにまだ一度もデートしてないんだよ。それに手も繋いでないし、私のこと名前で呼んでくれし。メールも電話も…。薫くん本当は私のこと好きじゃないんじゃないかな…。無理して付き合ってくれてるのかな…。」
「マムシはよ、不器用な奴だし、お前はそんな不器用なとこも好きになったんだろ?」
「うん…。」
「それに名無しはマムシへの不満をマムシに言ったか?」
「ううん。言えるわけないよ…言ったらきっと嫌われちゃうもん。」
「俺はそうは思わないぜ。俺だったら我慢されてる方がずっと辛いけどな。」
「…私海堂くんと話してくる!!」
「おう!頑張れよ名無し!」
「うん!!ありがとう、桃城くん。」
私は部室を出て、薫くんが自主練してるであろうテニスコートへ走った。