惑う心 〜Another story〜
□ある日のうちは姉弟
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『ただいま…』
俺がアカデミーから帰ってくると
ダダダ
『!』
「兄さん!」
サスケが勢いよく飛び付いてきた。
「お帰り!ねぇ!一緒に遊ぼう兄さん!」
俺に抱きつきながら遊ぼう遊ぼうと連呼するサスケに、洗濯物を持った母上が現れて
「こらサスケ!兄さんはアカデミーの宿題があるんだから、それが終わってからにしなさい」
ムスッ
あからさまにサスケはすねる。
『いいよ。宿題は後でするから…簡単だし』
「へへ…」
サスケははどや顔で笑った。
*****
『今日は何して遊ぶんだ?』
「んーっとね…かくれんぼ!!」
『かくれんぼだな。よし、鬼を決めるためにじゃんけんだ!』
「負けないよ!!」
最初はグー! じゃんけんホイ!
名前はチョキ
サスケはパー
「ま、負けた……」
『最初はサスケが鬼だな。ちゃんと30秒数えられるか?』
「それくらいできるよ!!」
『じゃあ、よーい…始め!』
シュン
俺はその場から走って離れた。
しばらくして俺は、1つの木に登って身を隠した。
にーじゅはーち にーじゅきゅ さーんじゅ!!
もーいーかーい!!
『クスッ』
ここまで聞こえてくるサスケの声に笑みがこぼれた。