テニスの王子様 仁王の双子姉

□テニプリー一章ー
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ガチャン

私は辺りを見る。


「まだ来ていないみたいだね」


しぼらく待っていると


ガチャン


屋上の戸が開く。

そこに立っていたのは目立つ銀髪の男の子。

彼は私に気づくと近付いてきた。否、飛び付いてきたという方が正しい。


ドスッ


「Σゴフッ」


仁王「会いたかったぜよ〜!」


「わかったから少し離れろ!!」


仁王「嫌じゃ」


「即答!?」


皆さんお察しの通り、屋上にはいってきたのは仁王雅治君です。


仁王「とりあえずそのウィッグと眼鏡やめんしゃい」


「やめたら離れてくれる?」


少し間をおいてコクリとうなずく彼。

私は眼鏡とウィッグを外す。


「ほら、やめたからどけて」


私がそう言うと、雅治は渋々とだが離れてくれた。


その後は雅治と色んな話をした。


キーンコーンカーンコーン


「あ、そろそろ行くわ」


私は眼鏡とウィッグを装着し、屋上を後にした。

後ろで雅治が何か言っていた気もするが、スルーした。


〜?side〜


今日はやけに仁王がそわそわしている。

俺は仁王に何かあったのかと思い、聞いてみたが


仁王「な、何でもないぜよ」


と答えられるだけだった。


屋上で昼食を食べている時も、いつもはのろのろと食べているのに驚くほどのはやさで食べていた。ギネスにのるかもって思ったのは俺だけじゃないと思う。


仁王「ごちそうさま。じゃあ俺は用事があるから先に行くナリ」


そう言って屋上を出ていった。


皆ポカーンとした表情で、仁王の出ていった戸を見つめる。


皆に何か知らないかと聞いても、知らないと返ってきた。


考えても仕方ないと思い、俺はご飯を食べながら隣の屋上を見る。


あれは……


遠目からだからよく見えないが、確かに仁王がいた。あの目立つ銀髪は仁王だけだ。

仁王は、よく見ると(上半身は見えないがスカートで女子と判明)女子と楽しげにしゃべっている。

あの仁王が……

俺は一人、面白そうだと口角をあげた。
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