神の申し子
□神の申し子 六章
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「では今日は先日決まった危険能力系の総隊長と副隊長の紹介を行います。五月暁さん、水無月夕闇さん。どうぞ。」
初等部校長の挨拶。周りがざわつくのを感じならが蜜柑と夕闇は舞台へ静かに上がる。
「...ご紹介に預かった危険能力系総隊長、五月暁だ。所属は危険能力系。」
「同じく、危険能力系副隊長、水無月夕闇ともうします。危険能力系と特殊能力系に入っております。」
2人が簡単な挨拶をした後、生徒は静まり返っていた。危険能力系の総隊長と副隊長というものだから強面の男が出てくると思ったが、不敵な笑みを浮かべた真紅の髪をした美少年と優し気な白髪の美少女である。驚かない訳がない。
「俺たちは学校に籍はいれているが教室には行かないつもりだ。まぁ、校内をうろついていたら俺たちだと思ってくれ。」
「(暁様...そんな自己紹介でいいんですか)気軽に声をかけてくださいね。」
ん?そんな自己紹介ってなんだ?...あ、そうそう夕闇の手続きもしなきゃいけないしな。もう少しは忙しいな。
っていうか俺たちが入ってきた時くらなんでみんな静かになったんだ?なんか顔についてるのか?
俺が自分の顔を触って首を傾げると悲鳴。悲鳴と言っても恐怖とかじゃないっぽいが...なんなんだ?
実際は蜜柑の行動に生徒が黄色い声をあげただけである。
「暁さん、夕闇さんありがとうございました。」
初等部校長がマイクで促した。
帰っていいってことだよな?
夕闇に目配せをして出口に向かう。帰る途中黒猫とかほかの校長とかプリンシパルの視線が気になったが、まぁ後で話せばいいだろ。
舞台からおり、まだざわざわしている生徒達を見つめる。
「...お披露目は成功ってとこか?」
「そうですね。」
穏やかに微笑む夕闇。
「あ、そうそう夕闇。今日夕闇の入学手続き進めるんだが、何かして欲しいことあるか?」
俺が聞くと夕闇はキョトンとしてから緩く顔を振る。
「私は暁様と一緒のクラスであれば...他にはなにも望みません。」