歌劇小説

□無防備な眠り姫
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「(よかったぁ〜)」

龍くんが起きてないことに安心して、静かに近くまで移動して、そーっとバッグを置く

机の上には、龍くんのバッグがあり、近くにノートや参考書が散らばっている

どうやら、大学からそのまま来たらしい

「(そっか、龍くん大学生だもんな。仕事で遅れないようにしてるんだ……)」

ふわりと入ってきたそよ風にノートがパラパラと捲れる

龍くんのキレイな字がノートから覗き

プリントが少し机を滑り床に落ちた

起きたかな?と思い見ると

眠り姫は起きる様子がない

「(よっぽど疲れてたんだ…)」

目の下のクマがそう物語っているようだった…

近付くと龍くんの白い肌に、黒々としたクマが目立つのが、はっきりとわかる

「(肌白い…。睫長いし、髪柔らかそうだ…)」

やっぱり、好きな人の前ってドキドキするなぁ

寝てるとこが無防備すぎて余計、ドキドキする

大好きすぎるからなのかな?

はっきり言って、龍くんは鈍感だから

俺の気持ちに気付いてないだろうしなぁ…

なんかヘコむι

それに、龍くんはみんなからモテモテだから

めっちゃライバル多いんだよねι

俺は龍くん大好きなのになぁ…

ハァ…

なんだか、気持ちだけ空回りしてるみたいだ…



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