歌劇小説
□気付いて欲しい
1ページ/5ページ
「龍ちゃん♪」
声をかければ振り向いてくれる。
「どうかしたの卓也?」
ニッコリ優しい笑顔で振り向いてくれる君が大好き!!
「ねぇねぇ、今日俺ん家来ない?」
「なんで?」
「ん〜?龍ちゃんの為にご飯でも作ろうかと思って。」
これは本当。料理は結構作れるし。
「マジ?嬉しいなぁ。」
「どう?」
「うん、い「りゅーうーちゃん♪」
『ガバッ』
「塁斗!」
「どうしたの?」
いい所で龍ちゃんに抱きついたのは塁斗だった。後ろには工くん達もいる。
「あのね、今日一緒にご飯食べに行かない?」
ニコニコ笑いながら誘う塁斗。
これはもう確信犯だ。
龍ちゃんは誘われるとなかなか断れない。
年下に懐かれている龍ちゃんは若い子を優先させることが多いし…。
絶対工くん達の仕業だ!!
分かってて塁斗を使ったんだ。
「あっ…ごめんね塁斗。今日は卓也と約束しちゃったから。」
「え〜!!まだ返事してなかったじゃん!!」
「聞いてたの?確かに返事してなかったけど、卓也のほうが先だったから…。ごめんね?」
優しく塁斗を宥める龍ちゃん。後ろの工くん達が悔しそうにしている。