歌劇小説2
□寂しがり屋なウサギ
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心配なんだ
傍にいてくれないと
寂しくてたまらねえよ……
『寂しがり屋なウサギ』
「…えぐえぐ…シクシク…」
「(イライライラ)」
「……りゅ〜う〜……」
「(ブチッ!)あ"ぁー!!鬱陶しい!!ウルサいウルサいウルサーい!!」
とうとうブチキレるケンタ
「キレなくてもいいじゃんかよ!!俺なんかした?!」
「現在進行形で思いっきりしとるわどアホ!!人の家に勝手に入り込んで泣くのがなんかしてない言えるか!このすっとこどっこい!!」
ケンタのイライラの原因は、一時間前に家に転がり込んだカズキである
いきなり転がり込んで泣き出したカズキの理由は
『リュウノスケと1日以上も話してない』
「知るかボケナスー!!!!こっちとら一週間以上話しとらんわぁぁぁぁぁ!!てか、お前のノロケを聞くほど暇や無いんやー!!!!!!!」
という状況で
ケンタの臨界点は最高潮に達しそうな勢いである
「仕事で行くのはしょうがないよ。俺だってそこんとこぐらいわかってるよ。でも………携帯までおいてかなくてもいいじゃんかよー!!」
目の前でおいおい泣く親友もとい頼れる部長だった人物に呆れながらフォローするケンタ
「国際電話は金かかるやろ。多少時差もあるんやし。」
「でも、メールも電話もしないなんて耐えられねえ!!寂しくて死にそうなんだよ!!」
知るかぁぁぁぁ!!お前はウサギか!?飼い主がいなくて寂しいウサ公か!!
ウサギって寂しいと死ぬんだよなぁ…
寂しいなら一辺死ね!!むしろ、俺が楽にしたるわぁ!!
なんて高速コント劇を脳内で繰り広げながらも言わないケンタは苦労人である
とりあえずグチグチシクシク五月蝿いので放置することにした
放置して小一時間
相変わらずの様子に今度こそ本当に臨界点突破しそうになった
だが、突然カズキの携帯がなった
そのメロディーを聞いた途端、カズキは凄まじい勢いで携帯を開いた
そして
「俺帰るわ!!」
と言い残し、マッハの勢いで家から去っていった
「……………。」
突然過ぎる事態に動けず呆然とするケンタ
リュウノスケが帰ってきた連絡なのだと気付きハッと我に返ると
「もう来んなどアホー!!!!」
と怒りの雄叫びを上げた
後日、カズキが迷惑をかけた礼にとリュウノスケから贈られてきた土産物に、どうリアクションとればいいか分からず固まったケンタであった。
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