*るろ剣*
□近親相姦。
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「じゃあ行ってくるね」
「ああ、いってらっしゃい」
薫は旧友に逢いに京都へ行くことに。一週間ほど道場を空けるので、剣心は留守を頼まれ居残り。
「さて、と」
薫の姿が見えなくなると剣心は苦笑しながら、機嫌を害ねている息子の部屋へ足をむけた。
「俺もう十八なんだよお父さん。留守番くらいできるって言ったじゃん」
「まあそう言うな。母ちゃんも色々心配なんだろうし」
にこやかにそう言って剣路を宥めたつもりの剣心だったが、実際は気難しい剣路の機嫌をさらに害ねただけだった。
「色々心配って、何が心配なのさ」
「色々って…うん、色々でござる。剣路が隠れて酒飲まないか、とか」
「飲まないよ」
「艶町に繰り出さないかとか…」
「行かないったら」
剣路は口うるさい親だ、と内心文句をたれると、剣心を無視して畳にゴロリと寝転んでしまった。
「おろ…昼寝でござるか?せっかく稽古つけてやろうと思ったのに」
「めんどくさい」
「そうか…。それは邪魔してすまなかった…おやすみ剣路。寝冷えせんようにちゃんと布団で寝るでござるよ」
「…わかってるよ」
本当に口うるさいなあ、と剣路が思うのも、年ごろだから仕方がないことではある。