奉献之文

□異・山月記
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「ふっ…ん、」


唇を離され、三成はやっと新鮮な空気を体に送り込む事が出来た。
肩で息をする自分に対し左近は、ぺろぺろと三成の薄い唇を舐める。少しざらついた舌が快楽を刺激した。


「さっ…んむ…左近、止めろ」


「体に熱が篭ってどうしようもないのです…それに殿の体も熱っぽいですよ?」


指摘され、口付けで上気した顔が更に赤みを増す。
確かに三成の下半身は疼き始めていた。

だが今の左近は恐ろしい。
虎と化した左近の獣欲は烈火の如く激しく、このまま続ければ骨まで食われそうな、獣に犯される錯覚に三成は落ち入っていた。


「左近…!駄目だ!」

抗おうにも両の手首はがっちと掴まれ、びくともしない。

「頼む左近…止めてくれ」


「その顔…堪らなく艶やかですよ、殿」


平素は冷徹そうな顔が己が体の下で眉は八の字に下がり、琥珀の瞳は水に濡れたように潤み、頬は朱に染まり荒い呼吸を繰り返す珊瑚の唇はうすく開いている。


平素と情事の差に左近は背筋が震える程の興奮を覚えた。


「!?…っく!ひっ、うぅ!」


耳朶を甘噛みし、ちゅくちゅくと吸ってやると三成は堅く目を瞑り顔を反らせた。左近は三成の仕草に笑みが零れる。
反らせた事で浮き出た首筋に沿って唇を滑らせてゆく。着物の合わせまで到達すると、ちらと三成の顔に視線を送る。


「…っ…ふっ」


三成は左近の視線に気付かず堅く瞑った目尻から涙を流し、唇を噛み締め快楽に流されまいと耐えている。


「…!?左近…?」


びっ、と布が裂ける音に驚いて目を開けると三成の羽織りを止める為に結ばれた紐が無惨にも噛み裂かれ、にっと歯を見せて笑う左近の口からひらひらと垂れていた。


「左、近…」


ぐい、と中に着た黒の着物も口で暴くと表わになった雪肌に左近はしばし見入った。


胸の突起は既にぷっくりと腫れ、赤く熟れている。左近は満足気に目を細め、ぐるると唸りを上げた。


「美味しそうですな…」

言うやいなや、赤い突起をべろりと一舐めし口に含んだ。







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