奉献之文
□拈華の指
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「んっ…んむ」
押し倒されると深い口付けが落とされる。
唾液が頬を伝うのが分かったが、どうする事も出来ない。
ばさばさと手早く着ていた物が脱がされ、あらゆる所に花びらが落ちる。
「さこ…も」
言って、己を見下ろす男の首筋をちゅう、と音を立てて吸う。
「悪戯を…」
笑う男の顔は昼間に見たあの微笑みとは違う、その事に安堵した。
そっと畳に頭を降ろすと、内腿に手を伸ばす。
「っく…あっ…」
この人は内腿が弱い。撫でるだけで声は上がり、モノは屹立する。
「ああぁ!…あっ」
自身に触れてやれば嬌声は大きくなる。過敏な反応が卑しく愛しい
「さこ…!さこ、ん!!」
擦っていた腕に手が縋り付く。
「あっ…ん!!」
急にヌルリとしたものに包まれた。
「さこ…!?口に入れ…たのか?」
筋を嘗められ、躯が撥ねる。先走りの蜜が量を増しているのが己でも分かった。
「…さこん…汚い…から…んぅ!やっ…」
「汚くなんてありませんよ」
張り詰める三成のモノに限界を見てとると一際強く吸ってやる。呆気無く達っしてしまった−
ごくり、と吐き出した露を飲んでやれば恥ずかしげに手で顔を隠す。
「左近…?左近は?」
自分の息も整わないのに己の事を想ってくれる、そこが嬉しい。
「お楽しみは後に取って起きますよ」
脱がせた時同様、手早く着物を着せて髪を梳いてやる。
「致した後に何ですがもう時期夕餉、侍女に声を掛けてきましょう」
外に向かおうと背を見せた、その時
くん、と羽織りが引かれる。振り向くと心許ない顔で小さく、
「左近は…こんな俺は…嫌か…?」
と聞いて来た。何といじらしい人だろうか、頬が緩むのが分かる。
「滅相も無い。…ですが毎日ですと、欲情し過ぎて左近が大変な事になります」
「…変態」
言ってはいるが、顔は儚い笑みを湛えている
−こんなにも簡単な事だったとは
三成は心中で慶次に感謝した−