駄文
□水魚之交
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強く、勇ましく、優しい愛しき者への願い。むしろ祈りに近かろう想い。
「左近…頼む」
「勝ちましょう」
か細い体を抱き込む。髪を梳き、背中を摩り、最後に連理の枝になれたならと思いながら強く抱きしめる。
三成は変わらず左近の陣羽織りを握りしめたままだった。
今この人に『生きて』と言うのは重過ぎる。代わりに『勝つ』と言う。
二人が生きてゆけるよう。
所詮人の重荷を代わりに背負うなど出来ない事。
ならば自分はー…
さながら壮絶な戦の舞台は整ったとばかりにさぁ、と霧が晴れてゆく。
名残惜しみながら一つの影は二つに別れた。
「必ず勝利しましょう」
「頼りにしている…左近」
貴方がくれた『生きろ』という重荷を背負って戦場に立とう。
噛み締めるように頷く。三成も直ぐにこくりと頷いた。
と、二人の瞳にはもうお互いを写す事は無かった。
見据える先は敵陣。
その先は彼の人が笑って暮らしている世−
そんな世が来たら自分も伝えよう。
「左近にとって殿は『水』です。
貴方がいないと生きてゆけない−−…」
終了。
後書き
◎暗い話しを目指してたのに…甘くね?コレ甘くね?(ため口で御免なさい)
夏風邪こじらせて頭沸いちゃった可哀相な人の文です。どうぞ同情とヒき気味な視線を送って下さい。
暗い話して…どうやったら書けるんでしょーか?
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