駄文
□禍福は糾える縄の如し
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ギン千代によれば、三成は元々自分と似た体質なのであろうと言う事だった。
雷電を体に纏いやすい体質が、より強い雷電の力で増幅されてしまって今の三成になってしまったのだ。
「ま、強い力から離れれば自然と弱まると思いますが……」
「……」
しょんぼりと顔を俯いけて、まるで親に叱られた子供のようだと左近は笑いを堪えていた。
「?足音…五月蝿いな」
廊下から響く大きな足音に顔を上げる。
そうですね、と相槌が終わるか否かに襖は開いた。
「三成!!捜したぞ!」
「御無事で何よりです三成殿!!」
一人は直江兼続。もう一人は真田幸村。二人共三成の知遇を得た友人である。
「湖の底から竃の中まで捜したんだぞ!!三成!」
「お前は俺がそんな所に居ると思っていたのか」
「今までどちらにいらしたのですか?」
「薩摩ですよ」
二人も左近が三成から聞いた時のように固まってしまった。
常に左近を付き従え、一人になる事など決して無い、悪く言えば深窓の姫御のような三成が一人で、遠く薩摩の地へ行く等と二人も考えつかなかった。
「お体は大事ないですか?」
「あぁ…土産もあるぞ」
「厄介な土産もね」
「!?まさか厄介な土産とは…誰かに孕ませられたとか!!?」
「どうしてもそっちに持って行きたいのか兼続」
「よし!私が愛と義の触診を…!!」
「わー兼続殿。凄い指の動きです。」
「触るのは止めた方が身の為ですよ」
「私だって人との触れ合い、温もりが恋しいのだ!!!」
「えばる事じゃないですよ」
兼続の気持ちの悪い指の動きが三成に触れる寸前。
−バチバチバチ−
「ぎゃぁあああっ!!!!」
左近の時よりも数倍激しい音と光りに、左近は兼続は死んだなと思った。
「なん…なのだ…コレは」
「流石人間離れした生命力」
「ゆ…幸村、私に回復アイテムを…」
「はい!!」
がさがさと幸村が取り出したのは…
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