駄文
□比翼の鳥
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「あの子。女の子に不自由した事ありません、て顔してるからね」
「確かに…」
「釣った魚に餌はやらないっていう子ね…きっと沢山泣かせてるわね」
思い当たる節を巡っていると見上げた、大きい、愛らしい瞳と目が合う。何故か腰が引ける
「三成〜泣かされないようにね!」
全身から汗が吹き出す。ねねは知らない筈なのに、言いようは二人が恋仲である事を知っているようだ。
「意味が分かりかねます…」
「んもぅ!責任取れー!、って城下の女の子が殺到して、その処理に泣かされないようにって事だよ」
紛らわしい物言いを、と内心毒づきながら、ばれてはいなかったかと胸を撫で下ろす。
「では…身を慎むようにと伝え申しておきましょう」
「そうだよ!女遊びなんて百害あって一利なしだよ!大体女遊びっていう言葉自体…」
再び説教が始まる前にそそくさとその場を後にする
「浮気…か。まぁ、大丈夫だろうがな」
しかしながら、何時もより馬を跳ばして帰路についている事に三成は気付いていなかった
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