其ノ弐

□最初が肝心とか言うけど人見知りには最初から不利
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「『我等美人三姉妹!』」

「分かんない!変な意気込みに反して見た目のクオリティがついてきてないのはワザと!?ワザとなのか!?」

「世の中では完璧よりもギャップを求めると聞いたもので」

「ギャップ所の騒ぎじゃない。あんたはともかくこのパネルは何!?あっちの人に関してはそのまんま(服装が)!」

『引込思案な私だけど、今日は大胆にワンショルダーのドレスで決めてみました(そのまんまの声色で)』

「ひーっ!その肩脱ぎをワンショルダーと言い張る気概!ちょっ、そこに座れ正座しろ!」

「えっ、じゃあ失礼しまーす」

「横にじゃなくて!折角の郭なのに安っぽいキャバクラみたくなってる!」

『失礼しまーす(そのまんまの声で)』

「こっち側に関してはキャバクラですらない!」


『じゃあ水割り作りますねー』

「水割りって…あんた達が入ってきてから時代考証とか色々大事なものがぶち壊されるんですが…」

「いい機会ではないか。常識など自分で作った定規でしかない。それぞれに長さの違う定規なら無くした方が大きな人間になれるぞ社長」

「的は外してないが、あんただけには言われたくない。とって付けたように“社長"とか言われても嬉しくないから。逆に馬鹿にしてんだろ」

「じゃあ課長。島課長」

「語弊がある。本格的に腹が立ってきたんですが」

「腹が立った時のこのパネルだ。今なら俺が殴った時にアテレコしてやるぞ」

「パネルとはいえ見ず知らずの人を苛立ちに任せて殴る程俺は無法者じゃありませんよ。大体これ、誰」

「正子代理」

「本人は」

「本人は…“俺の心臓は二つある。一つはこの胸のど真ん中。もう一つぁこの髪型に宿ってる。この髪型を崩す時はシャワーの時か死ぬ時だ"と言ってこの甲斐姫風アゲ嬢カツラを被らなかったから代わりにパネルだ」

「シャワーの時って…ちょいちょいじゃないですか」

「何でも先ずは頭皮かららしい」

「そう…でもこれ、切り落とされちゃってるよね、心臓」

「!誰がこんな事を…!」

「…(絶対ツッコんで何かやるもんか…!)」




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